タンスの引出し 1

50年近く

家具職人をしてきた名人と

お酒を飲む機会があった。

お酒がすすむにつれて

名人のなんたるやを感じる話を

聞くことができた。

話のとっかかりは

「逃げる道を作るのが名人や!」という

言葉だった。

私は

「名人が逃げ道を作るなんて?」と

反論すると

「素人には、わからん。他人には、判られずに逃げ道を作るのがプロの、名人」

と言う。

竹菱康博

非常識の常識 4

現代社会でも同じことが言える。

学歴社会という従来の常識も崩れつつあるし

リストラが流行って

終身雇用も崩れてきた。

しかしこの終身雇用だって

百年前にはなっかた制度だ。

ひたひたと実力社会が

確実に来つつある。

戦後のスーパースターたちも常識破りが多い。

実業界では

本田宗一郎しかり松下幸之助、スポーツ界では

長嶋茂雄やジャイアント馬場など。

非常識といわれるくらいの生きざまを

貫き通したときに初めて結果が出る。

ただし

確固たる自信をもち

信念を貫き

結果がでるまで辛抱する。

これがなければ

単なるバカヤロウで終わる。

「近頃の、若いヤツは」という

言葉がよくロにでるようになれば

また常識ばかりを語るようになると

頭が固くなっていると自覚するべきだ。

常識とは、変わるもの。

竹菱康博

非常識の常識 3

昔は人生五十年の時代。

早く子供をつくって子孫を

残さなければならない時代だった。

だから十五歳になれば

もう成人として認められた。

つまりたかだか2~3百年で

常識なんてガラリと変わる。

もっと歴史をひもとけば

天動説と地動説もいい例だろう。

コペルニクスが天動説を唱えたとき

その時代の誰ひとりとして

地球が自転していることを

信じなかった。

竹菱康博

非常識の常識 2

非常識の常識 2

5年10年たっても

非常識のままかもしれない。

答えは歴史がだす。

戦国時代

日本の男子というのは

十五歳で元服した

元服というのは

いまの成人式にあたる。

元服をして

年上の嫁をもらって

セックスをし子供も作った。

今でいうなら中学三年生。

現代社会ならr不純異性交遊」になって

新聞沙汰になる。

竹菱康博

非常識の常識 1

「このごろの若いヤツは!」と言う言葉が

歴史をつくった。

という話を聞いたことがある。

人類が最初に覚えたのは

この言葉だったともいう。

はるか太古の時代から

今の時代に至るまで

「このごろの若いヤツは」といわれた若者が

歴史を作ってきたのだ。

非常識と言われていることが

5年後10年後に

常識になっているかもしれない。

竹菱康博