足し算と掛け算 2

自分自信が努力をしてプラスになっているときに

マイナスの要素(仕事・人間関係など)が近寄ると

それは掛け算で作用する。

プラスの数字にマイナスを掛けると

小学生でも答えが出る。

大きなマイナスになる。

そこから這い上がるには

積み重ねしかない。

つまり大きなマイナスを背負って積み重ねて

プラスにしようにも(あくまでも積み重ねは足し算)不可能に近いくらい

気の遠くなる努力が必要となる。

読者の皆さんの中には、

「それならばもう一つマイナスを掛ければプラスになるよ。」

とおっしゃる方もいると思いますが

残念ながら人生における算数はそんなに甘くはない。

一回マイナスが掛かると

次のマイナスは足し算になっていく。

マイナス足すマイナスは

マイナスが増えるだけだ。

だからこそマイナスには、近寄らないことである。

竹菱康博

足し算と掛け算 1

よく人は

足し算で仕事とか人生を考える癖がある。

人生の諸先輩は

「仕事も人生もすべて努力の積み重ねだ!」とよく言われている。

しかし本当にそうだろうか?

確かに積み重ねには違いないことも多いが

実際には積み重ねだけでは割り切れないことの方が現代社会では多い気がする。

もし積み重ねだけならば

マイナスの数字はないはずだ。

足し算で積み重ねていって

マイナスの要素が発生してもそれ以上にプラスを重ねていれば

マイナスにはならない。

またマイナスになってもそれぐらいの

マイナスはすぐプラスになるはずだ。

しかし実際はなかなかプラスにはならない。

それどころか下手をすると

ずっとマイナスを引きずる。つまり掛け算なのだ。

竹菱康博

タンスの引出し 4

それが段取りや

仕事のスピードに

結びつき名人芸とよばれる。

名人の技と道具は

表裏一体である。

この話からぜひ感じて欲しい事は

人間にもモノにも

逃げ道

つまり遊びがいるということだ。

仕事でも

対人関係でも

相手の逃げ道を完全になくしてしまうと

ものごとは決してスムーズに運ばない。

車のハンドルの遊びもそうだし

レールの継ぎ目もそうだ。

電化製品のアースもそうだ。

会社の会議なんかで

相手を完膚なきまでに叩きのめして

自己満足に陥っている

管理職なぞは

「窮鼠猫を噛む」ですよ。

ただし

逃げ道が多すぎたり

遊びが多すぎたりすると

あなたの引出しはガタガタになりますが。

竹菱康博

タンスの引出し 3

人間は、完壁ではないからこそ

逃げ道を作ることで、いい作品になる。

この名人芸は

絶対コンピューターにはできない。

なぜなら

あまりにもコンピューターは

完壁主義だから。

きっと名人は

ゆとりを逃げ道と表現されたのかもしれません。

また

その逃げ道を作るためにもっと大事なことがある。

名人いわく

「逃げ道を作り出すために、その微妙な感覚を出せる道具を、自分で作ることだ」

すなわち寸法では

測れない寸法を削れるカンナなりノコギリなりを

自分で作り出すことだ。

竹菱康博

タンスの引出し 2

名人が作ったタンスの引出しは

入れるときに非常に入れにくい。

ところが入れてしまうと

スムーズに動く。

引出しの奥の幅は

内側の寸法に

キチキチに作ってあり

手前も枠内にピッタリするように

作ってある。

それだけでは

スムーズに動かない。

真中の幅は

人には判別がつかないくらい

狭めてある。

それは寸法では測れないくらいの

長年の感覚である。

そうすることで

入れるときはきつそうだが

入れてしまうとスムーズに動き

長い間使ってもガタつきのない

タンスの引出しができるそうだ。

つまりそれが逃げ道なのだ。

この逃げ道が

良いタンスをつくる名人芸なのだ。

竹菱康博