名人が作ったタンスの引出しは
入れるときに非常に入れにくい。
ところが入れてしまうと
スムーズに動く。
引出しの奥の幅は
内側の寸法に
キチキチに作ってあり
手前も枠内にピッタリするように
作ってある。
それだけでは
スムーズに動かない。
真中の幅は
人には判別がつかないくらい
狭めてある。
それは寸法では測れないくらいの
長年の感覚である。
そうすることで
入れるときはきつそうだが
入れてしまうとスムーズに動き
長い間使ってもガタつきのない
タンスの引出しができるそうだ。
つまりそれが逃げ道なのだ。
この逃げ道が
良いタンスをつくる名人芸なのだ。